(新鮮生活情報誌マ・シェリ 2008/09/25 No.699号より)
「砂子沢アロニア生産組合」組合長の藤原さんの案内で、山の西向き斜面にあるアロニア畑に向かいました。
9月中旬は晩成の収穫期。真っ黒に熟した小さな実が、日の光を浴びてツヤツヤと輝いています。
「まずちょっと食べてみて」
いたずらっぽく笑う藤原さんにうながされ、食べてみると…うう、渋い。
柿渋ほどではありませんが、生食向きではありません。
「私たちは慣れているから平気。でも、お酒に漬けたり、ジャムにして食べていたら、メガネなしで新聞が読めるようになったのよ」
渋いからこそ鳥やタヌキも敬遠するのでしょう。苦労して防鳥ネットを張る必要もなく、まさに手間要らずの作物といいます。
「砂子沢産のそばにこのアロニアを混ぜて乾麺の『アロニアそば』を作りたいの。そうすればいろんな人に砂子沢の味を楽しんでもらえるから」とエキさん。
アロニアが砂子沢を元気にする、ふたりの明るい表情からは、アロニアにかけるそんな期待が感じられました。